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私がHOMISを創りました

佐々木淳 医療法人社団悠翔会 理事長

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持続可能な在宅医療を提供するためには、一人の医師に負担が集中し続けることを避けなければならなりません。複数の医師で一人の患者を見守るためには、クリニックの壁を越えたリアルタイムの情報共有が必要となります。そのキーとなるインフラがクラウド型電子カルテなのです。

私は理想の在宅医療を提供したいとの思いから、2006年、東京都千代田区に在支診を開設しました。一人でも多くの方が住み慣れた家で最期まで暮らせるよう、特に24時間対応を確実に行うことを心がけました。患者数が徐々に増加し、2008年、業務効率化のため電子カルテを導入しました。在宅医療では、患者の病状のみならず、療養環境や人生観などの俯瞰的把握が必要になります。管理料や指導料を請求するのに必要となるカルテ記載上のルールも数多くあります。従来の電子カルテでは、車で飛び回りながら、大量の情報を整理・検索・閲覧することに限界があると感じました。また、様々な書類の作成、訪問スケジュールの管理、定期的な衛生材料の供給なども必要になりますが、外来中心の従来カルテシステムには使いやすい支援機能がなく、複数のクリニックで連携するための情報共有にも問題がありました。そこで、2011年、独自の電子カルテシステム「HOMIS」の開発に着手したのです。

法人全体の診療状況・運行状況を全員がリアルタイムに共有することで、業務が効率化されていきました。カルテが単なる診療の記録ではなく、チームの情報共有ツールであるという共通認識が生まれ、カルテへの記載内容が充実してきたことが最大の要因だと考えています。診療内容はもちろん、療養方針や対応ルール、そして患者の「ものがたり」が整理され、主治医でなくとも違和感なく、連続した在宅医療が提供できるようになりました。これにより、患者の満足度を犠牲にすることなく、医師の勤務を昼夜完全に分離し、一人の主治医が24時間働き続けるという、従来陥りがちだった過酷な状況を解消できました。

悠翔会では2014年10月現在、23人の常勤医が常時2000人の患者を管理しています。夜間は2人の当直医が対応し、年400件の看取りを行っています。さらに連携医療機関に対しても当直機能を提供し、一都三県の16在支診で3000人の在宅患者を「共同管理」しています。医師以外にも、ケアマネ・看護師・薬剤師・理学療法士・管理栄養士・歯科医師・歯科衛生士・マッサージ師など300人以上が毎日ログインし、さらに施設職員が入居者のバイタルサイン・食事・服薬・排泄状況なども入力し、それらをHOMIS上でフラット・シームレスに情報共有しています。HOMISは診療の品質と効率の両立に貢献する地域の多職種協働のプラットフォームとして現在も進化を続けています。

略歴

1998年 筑波大学医学専門学群卒業、社会福祉法人三井記念病院内科研修医
2000年 三井記念病院消化器内科医員
2003年 東京大学医学系研究科博士課程入学、その後、地域病院管理職、在宅医療などを経験し、
2006年 在宅療養支援診療所MRCビルクリニック開設、管理医師。
2008年 法人化(医療法人社団悠翔会)、理事長就任
2011年 在宅医療に特化したクラウド型電子カルテシステム HOMIS の開発をスタート

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